生命身体に関する刑事事件~検察官と弁護士の争いの歴史

 刑法には様々な犯罪が規定されています。それぞれ保護しようとしている利益があります。ここでは生命・身体を保護法益とする犯罪に係る刑事事件の判例についてご紹介します。

 生命身体を保護法益とする犯罪の代表例は,殺人罪,傷害罪,暴行罪などがあります。そのほかに胎児の生命を保護する堕胎に関する罪や自殺関与罪や同意殺人罪といった犯罪もあります。

 それぞれの犯罪についての法定刑は,殺人罪の場合死刑,無期懲役,5年以上の懲役となっています。自殺関与罪や同意殺人罪については,6カ月以上7年以下の懲役か禁固となります。自殺関与罪が,殺人罪に比べて法定刑が低いのは自殺を手助けしただけで,殺す行為そのものをしていないからです。同意殺人罪の法定刑が低い理由は,殺す行為自体は行っているものの,同意があるため「悪い度合い」が多少なりとも減少するからです。次に,傷害罪の法定刑は15年以下の懲役刑か50万円以下の罰金となっており,傷害を加えた際に死亡させてしまった場合は,傷害致死罪として3年以上の懲役となります。傷害結果が生じない場合の暴行罪の法定刑は2年以下の懲役,30万円以下の罰金,拘留,科料となります。

 これらの法定刑の範囲で,検察官や弁護士がさまざまな主張をし,裁判官が犯罪の態様や一般的な情状を考慮して,最終的な刑が確定されることになります。

参考 刑事事件のプロ弁護士のサイト

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